“着るバッグ”という発想──UNTRACKが挑む、新しいウェアのカタチ

バッグブランドがアパレルを手がけるなら、どんなアプローチができるのか。UNTRACKがその答えとして導き出したのが、“着るバッグ”というコンセプトでした。代表作「Essential Jacket」を通じて、その特徴とこだわりをご紹介します。

「バッグメーカーがつくるウェアって、どんなものだろう?」──そんな問いかけから生まれたのが、“着るバッグ”という発想です。

 UNTRACKは、ブランド立ち上げ当初からアパレルとバッグを同時に展開してきました。ただ、数多あるファッションブランドの中で、どうやって独自性を出すか。その答えを探す中で辿り着いたのが、“バッグに見立てたウェア”という考え方でした。

 当初は“着るバッグ”というキーワードに引っ張られすぎて、奇抜なアイデアばかりが先行していました。しかし、それでは誰にも届かない。日常に根ざしたものでなければ、意味がないと気づいたんです。そこで僕たちは原点に立ち返り、「バッグの延長としてのウェア」という視点から、ものづくりを再構築することにしました。

代表的なアイテムが、セットアップ対応の「Essential Jacket」。このジャケットは、バッグと同じように複数のオーガナイザーポケットを搭載しています。それぞれのポケットには、入れるアイテムを示すアイコンをあしらい、スマホや財布の“指定席”を用意しました。実は、人は人生の中で200日以上も“モノを探す時間”に費やしているそうなんです。そんな無駄な時間を少しでも減らしたい。このような思いから、収納の指定席を設けて、探さなくていい構造にこだわりました。

 また、ポケットの位置や角度にも工夫を凝らしています。たとえば、上部の内ポケットは縦に設け、腕を高く上げなくてもスムーズに取り出せるよう設計。さらに、ジャケットを脱いで腕にかけて持ち歩くときに、中身が落ちないよう上部ポケットにはファスナーを用意しました。

そして、ポケットを配置する際には、着心地やシルエットが崩れないよう細心の注意を払いました。アイテムを収納したときに服が不自然に膨らんだり、体に当たって違和感が生じたりしないよう、重さのバランスやポケットの位置を丁寧に設計しています。“着るバッグ”であっても、あくまでウェアとして快適に過ごせること。それがUNTRACKのこだわりです。

 快適さの追求は、素材選びにもおよびます。ストレッチ性と軽さを両立した生地を採用し、自宅で洗えるイージーケア仕様に。夜に洗濯すれば朝には乾き、雨の日にも心強い撥水性も備え、毎日着られるジャケットに仕上げています。

 “着るバッグ”は、バッグという道具の便利さをウェアに落とし込んだ、新しいライフスタイルの提案です。バッグとウェア、その境界を越えて、必要な機能をより自然なカタチで身にまとう。そんな選択肢を、私たちはつくっていきたいと思っています。

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